炭水化物不耐症とは
炭水化物・脂肪・たんぱく質の三大栄養素と呼ばれている栄養素の中で、私たちが最も多く摂取しているのは、炭水化物だと思います。そして、その炭水化物は、日常生活でもっとも必要な栄養素と信じられてきました。しかし近年、炭水化物の取りすぎにより体調不良が起きると警告する専門家が、増えているようです。アメリカのカイロプラクター、Drフィリップ・マフェトンもその一人です。
マフェトンは、数々のアスリート選手のトレーニング指導や、持久力をつけるための食事療法を指導するスペシャリストです。マフェトン自身の経験や臨床実験の結果、「炭水化物の摂りすぎは、病気のきっかけを作る」という考えに至りました。
糖質やでんぷんなどの炭水化物を、効果的に消化できない人々が、実は3人に1人の割合で存在しています。多くの原因は、生まれ持った体質によるものですが、炭水化物が多すぎる現代の食生活も要因とされています。マフェトンは、炭水化物を効果的に消化できない問題を「炭水化物不耐症」と呼んでいます。炭水化物不耐症そのものは病気ではありませんが、これを長年放置していると、病気のきっかけとなってしまいます。実際にこの症状を持つ家系は、糖尿病の人が多い傾向にあります。
炭水化物不耐症は、血液検査など医学的な検査では発見できません。この障害は、何年もかけて徐々に進行していき、血液検査で診断がつくころには非常に症状が進んだ段階となっています。この時の診断は、「インシュリン抵抗症」または「インシュリン過剰症」と呼ばれます。この段階にまでなってしまうと、インシュリンは正常な働きが出来きません。
インシュリン抵抗症とは、大量のインシュリン分泌によって血糖(ブドウ糖)が細胞に運ばれなくなった状態を指します。これにより、細胞は糖質の生産が不十分となってしまうため、さらにたくさんのインシュリンを分泌させます。なぜこのような働きが起こるのかは、未だに詳しく解明されていません。その他には、摂取した炭水化物を通常よりも多く脂肪に置き換えたり、脂肪の燃焼の抑制もしてしまいます。