肥満による肩こりのパターン
その1
肥満の人は、背骨の正しい弯曲(わんきょく)よりも角度が過剰になり、弯曲の角度が大きくなりやすいです。どのような状態かと言いますと、お腹が前に出る為、腰椎の前弯アーチが増加し、それに伴い、胸椎の後弯アーチも増加してしまいます。そして、首の前弯アーチも同様に角度が増加してしまいます。このように、背骨全体のS字カーブが強くなると、胸椎(きょうつい)から頸椎(けいつい)にかけての関節への負担が増えてしまいます。更に、正常値よりも多くなった体重を支えなければならないので、関節は可動性よりも支持性を優先させるため、背骨の関節が硬くなっていきます。そうなると、今度は関節をまたいでいる筋肉も動けなくなるので凝り固まってしまいます。
その2
胸椎後弯が過剰になると、頭が身体よりも前方に行った姿勢になります。頭は約5㎏程度の重さがあります。その頭を支えているのは首や肩の筋肉ですが、頭が前方へいくと、筋肉にいつも以上の負担がかかってしまいます。その結果、首と肩に凝りが生じるのです。
その3
筋肉内の新陳代謝も低下しやすいので、乳酸など老廃物が蓄積されやすくなります。その結果、さらなる肩こりの悪化へとつながります。
痩せすぎによる肩こりのパターン
ヒトの腕は、首から肩にかけて伸びている筋肉に吊るされているような構造になっています。痩せすぎている人は、筋力が足りず腕の重さを支えるだけで、首筋肉が疲労を起こし、疲労性の肩こりになりやすいです。
この疲労性の肩こりは、特に女性に好発しやすいです。厚生労働省の調査によると、女性が訴える筋骨格系の問題第1位は“肩こり”であるという結果が出ており、筋力の男女差がこのような結果に結びついているのではないかと思います。